認定看護師の分野は、2026年7月時点で19分野です(日本看護協会の公表情報)。まず全19分野を、自分の経験と照らしやすいように領域グループ別の一覧表にします。ネットには旧制度(A課程・21分野)の古い一覧も残っているので、この表を正としてください。
この記事でわかること:
- 現行19分野の一覧(領域グループ別)と、制度改正で何が変わったか
- いまの配属・経験からの候補分野の逆引き
- なるための要件・費用の内訳・学校(教育機関)の探し方
認定看護師の分野一覧:現行19分野(2026年時点)
| 領域グループ | 分野名 |
|---|---|
| がん看護 | がん放射線療法看護/がん薬物療法看護/乳がん看護/緩和ケア |
| 救急・集中治療・周術期 | クリティカルケア/手術看護/脳卒中看護 |
| 慢性疾患の看護 | 糖尿病看護/腎不全看護/呼吸器疾患看護/心不全看護 |
| 母性・小児 | 新生児集中ケア/小児プライマリケア/生殖看護 |
| 高齢者・生活支援・在宅 | 認知症看護/摂食嚥下障害看護/皮膚・排泄ケア/在宅ケア |
| 施設横断 | 感染管理 |
領域グループはこの記事が読みやすさのために付けた整理で、正式な区分ではありません。正式名称は上記のとおり19分野で、出典は日本看護協会「認定看護師」ページです(確認: 2026年7月)。
一覧を見るときのポイントは、分野が「診療科」ではなく**「ケアの専門領域」で切られている**ことです。たとえば「感染管理」はどの診療科の経験からでも目指せますし、「摂食嚥下障害看護」は脳外科・回復期・施設など複数の現場の経験が土台になります。「自分の科の分野がない」と思った人も、経験しているケアで見直すと候補が出てきます。次の逆引きの章で具体的に整理します。
A課程とB課程:制度改正で何が変わったか
検索すると「21分野」の記事が出てくるのは、制度改正の前後の情報が混在しているためです。経緯を短く整理します。
- A課程(従来制度): 21分野。600時間以上の教育課程
- B課程(現行制度): 2020年度開始。19分野。教育内容が拡充され、特定行為研修が組み込まれたのが大きな変更点
- 再編の中身: 「救急看護」と「集中ケア」が「クリティカルケア」に、「緩和ケア」と「がん性疼痛看護」が統合されるなど、統合・名称変更で21→19分野になった
- A課程修了者への認定審査は2029年度で終了予定。これから目指す人は実質的にB課程一択
つまり、今から情報収集する人は**「19分野・特定行為研修込み・800時間程度の教育」**という現行の枠組みだけ押さえれば十分です。古い記事の「◯◯分野がおすすめ」を見るときは、その分野名が現行19分野に存在するかをまず確認してください。特定行為研修そのものの位置づけや、認定看護師以外のキャリアルートとの比較はキャリア7ルートの記事で扱っています。
自分の経験からの逆引き:配属別の候補分野
「どの分野にするか」は、憧れではなく実務経験の要件から逆算するのが現実的です。認定審査の出願には「志望分野の実務研修3年以上」が必要なので、いまの配属で積める経験が最短ルートになります。配属別の主な候補を挙げます。
- 急性期病棟・ICU・救急: クリティカルケア、心不全看護、脳卒中看護、呼吸器疾患看護
- 手術室: 手術看護
- がん専門・化学療法室・放射線科: がん薬物療法看護、がん放射線療法看護、乳がん看護、緩和ケア
- 内科・外来(生活指導が多い): 糖尿病看護、腎不全看護(透析)、心不全看護
- NICU・小児科・産科: 新生児集中ケア、小児プライマリケア、生殖看護
- 回復期・慢性期・介護施設: 認知症看護、摂食嚥下障害看護、皮膚・排泄ケア
- 訪問看護: 在宅ケア、皮膚・排泄ケア、緩和ケア
- どの配属からでも: 感染管理(リンクナースや感染対策委員の経験があると強い)
逆引きで候補が2〜3個出たら、絞り込みの問いは3つです。①いまの職場であと1〜2年でその分野の経験3年を満たせるか、②5年後もその領域のケアを続けたいか(資格は専門を固定する力が強い)、③所属施設にその分野の認定看護師がすでにいるか(いなければ、施設として育てたいニーズがあり支援を得やすい)。この3問は記事末尾のチェックリストにも入れてあります。
認定看護師になるには:要件と流れ
要件と流れの全体像です(2026年7月時点。出典: 日本看護協会)。
- 実務経験: 看護師免許取得後、通算5年以上の実務研修。うち3年以上は志望する認定看護分野の実務研修
- 教育機関に入学・修了: 日本看護協会が認定する認定看護師教育機関で、B課程(特定行為研修を組み込んだ800時間程度)を修了する。期間は機関によりおおむね6か月〜1年
- 認定審査: 筆記試験(マークシート形式)に合格する
- 認定・登録: 認定料を納め、認定看護師として登録される
- 更新: 5年ごとに書類審査で更新する
時間軸で見ると、最短でも「実務5年+入学準備・選考+教育課程+審査」で、思い立ってから取得まで1年半〜2年強は見ておく計画になります。働きながらか、休職・退職して通うかは教育機関の開講形式と職場の支援制度次第です。要件の詳細と取得後の変化は認定看護師になるにはの記事で深掘りしています。
費用の一覧:審査料・認定料・学費の内訳
費用は「協会に納めるもの」と「教育機関に納めるもの」に分かれます。
| 費用項目 | 金額(2026年7月時点) |
|---|---|
| 認定審査の審査料 | 51,700円(税込) |
| 合格後の認定料 | 51,700円(税込) |
| 更新時の審査料(5年ごと) | 30,800円 |
| 教育機関の学費 | 機関により異なる(入学金+授業料+実習費。募集要項で要確認) |
審査料・認定料・更新料は日本看護協会の公表値です。一方、総額を左右するのは教育機関の学費で、こちらは機関ごとに差があります。入学金・授業料・実習費のほか、教材費、遠方の機関に通う場合の転居・交通・滞在費、教育期間中に収入が減る場合の生活費まで含めて資金計画を立ててください。志望機関の募集要項で総額を確認するのが唯一確実な方法です。
負担を軽くする道もあります。施設によっては進学支援制度(学費補助・出張扱い・基本給の継続)があり、都道府県や関連団体の奨学金・補助金が使える場合もあります。ただし施設の支援には「取得後◯年の勤務」といった条件が付くことが多いので、支援の条件は書面で確認してください。取得後の手当や年収への効果もあわせて考えたい人は、年収を上げる正攻法の記事と給料のしくみの記事で資格手当の位置づけを確認できます。