職場指定の様式がなければ、まず次のテンプレートで下書きできます。**退職を願い出る段階なら「退職願」、退職日が確定して正式に届ける段階なら「退職届」**を使うのが一般的です。
ただし、清書する前に、指定様式、雇用契約の期間、就業規則、合意した退職日の4点を確認してください。病院・法人によって書式、宛名、提出順が異なります。
この記事でわかること:
- そのまま下書きに使える退職願・退職届のテンプレート
- 退職日、提出日、宛名、所属、封筒で間違えやすい点
- 受け取ってもらえないときに確認する順番と公的相談先
看護師の退職届・退職願の書き方|そのまま使えるテンプレート
最初に、横書きの完成形を示します。[ ]の部分を自分の情報へ置き換えてください。パソコン作成か手書きか、縦書きか横書きかは、職場指定を優先します。
退職願のテンプレート
退職願
私儀
このたび、一身上の都合により、
[令和○年○月○日]をもって退職いたしたく、
ここにお願い申し上げます。
[令和○年○月○日]
[看護部 ○○病棟]
[氏名]
[医療法人○○会]
[○○病院 病院長 ○○ ○○ 殿]
退職願では「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」と、希望を申し入れる形にします。記載する退職日は希望日です。提出日、所属、氏名、宛名も入れます。
退職届のテンプレート
退職届
私儀
このたび、一身上の都合により、
[令和○年○月○日]をもって退職いたしますので、
ここにお届けいたします。
[令和○年○月○日]
[看護部 ○○病棟]
[氏名]
[医療法人○○会]
[○○病院 病院長 ○○ ○○ 殿]
退職届では「退職いたしますので、ここにお届けいたします」と、正式に届ける形にします。退職日を師長・人事と調整済みなら、その確定日を書きます。合意前の希望日を確定日のように書かないでください。
テンプレートは一般例です。病院が専用用紙を用意している場合は、専用用紙を使います。「院長宛て」「法人理事長宛て」「所属長経由」などの違いがあるため、宛名を推測せず確認します。
退職願・退職届・辞表のどれを使う?
名称が似ていますが、役割が異なります。
| 書類 | 主な役割 | 使うタイミング |
|---|---|---|
| 退職願 | 退職を希望し、承認・調整を願い出る | 退職日を相談する段階 |
| 退職届 | 退職意思と確定した退職日を正式に届ける | 退職日が決まった後 |
| 辞表 | 役職を辞する意思を示す文書として使われることがある | 一般の看護職員は通常使わない |
実務では、病院の就業規則で名称が決まっていたり、口頭の申し出後に「退職願を出してください」と指示されたりします。一般的な違いを理解しつつ、自分の職場が何を求めているかを優先してください。
よくある失敗は、退職日をまだ相談していないのに退職届を突然提出することです。退職意思が固くても、引き継ぎや勤務表の調整が必要です。健康や安全に緊急性がない通常の退職では、まず就業規則を確認し、直属の上司へ口頭で伝え、その後に指定された書類を出す流れがトラブルを減らします。
師長へどう話すかは看護師の退職の切り出し方で、会話例と順番を整理しています。本記事は会話ではなく、提出書類を完成させることに集中します。
書く前に確認する4項目
清書を始める前に、4項目を確認します。ここを飛ばすと、きれいに書いても作り直しになります。
1. 職場指定の様式があるか
人事・総務、院内ポータル、就業規則、師長への確認で、指定様式の有無を調べます。電子申請と紙の両方が必要な職場もあります。
質問は簡潔で構いません。
退職手続に必要な指定様式と提出先を確認したいです。院内書式はありますか。
指定様式があれば、一般テンプレートよりそちらを優先します。
2. 雇用契約が無期か有期か
正職員でも契約内容を確認し、パート・派遣・契約職員なら特に契約期間を見ます。厚生労働省「確かめよう労働条件」は、期間の定めのない労働契約と、期間の定めがある労働契約で退職のルールが異なると説明しています。
無期労働契約については、法律上、退職の申し入れから原則2週間で労働契約が終了するという説明があります。一方、就業規則に合理的な退職手続が定められている場合は、それも確認する必要があります。有期労働契約の期間途中は別の検討が必要です。
「正社員だから必ず○日前」「退職届を出せば誰でも2週間でよい」と短絡せず、契約と規程を分けて確認してください。
3. 就業規則の申出期限と提出経路
就業規則には「退職希望日の○日前まで」「所属長を経由して提出」などの手順が定められている場合があります。勤務先で閲覧方法が分からなければ、人事・総務へ確認します。
確認する項目:
- 申し出る期限
- 最初に伝える相手
- 書類の提出先
- 必要な様式
- 退職日の決め方
- 貸与品返却・引き継ぎの手続
4. 退職日が合意済みか
退職願には希望日、退職届には確定した退職日を書くのが一般的です。日付を間違えると、最終出勤日、残りの有給休暇、社会保険の資格喪失日などの確認にも影響します。
退職日と最終出勤日は同じとは限りません。有給休暇を退職前に取得するなら、最終出勤日の後に在籍期間が続くことがあります。書類へ記載する日を師長・人事へ確認し、自己判断で最終出勤日を書かないでください。
看護師の退職届を項目別に書く方法
テンプレートを項目ごとに確認します。横書きでも縦書きでも必要な情報はほぼ同じです。
表題
用紙上部に「退職届」または「退職願」と書きます。両方を併記しません。職場から指定された名称を使います。
書き出し
「私儀」または「私事」と書く一般例があります。読みは「わたくしぎ」「わたくしごと」です。指定様式がなければ、どちらか一つで統一します。
退職理由
自己都合退職の一般的な書式では「一身上の都合により」と簡潔に書きます。人間関係、給与、夜勤など、面談で説明した具体的な事情を文書へ詳しく書く必要は通常ありません。
ただし、職場指定様式に理由欄がある場合、会社都合の扱いに関わる場合、個別の紛争がある場合は事情が異なります。記録を残したい問題があるなら、退職届へ感情的に書き込むのではなく、人事・労働組合・公的相談窓口へ相談して文書を分けます。
退職日
「令和○年○月○日をもって」と記載します。西暦・和暦は文書内で統一します。退職願なら希望日、退職届なら確定日を使うのが一般的です。
間違い例:
- ×最終出勤日を退職日として書く
- ×師長と合意していない希望日を確定日として書く
- ×本文は令和、提出日は西暦で混在する
提出日
本文の退職日とは別に、書類を提出する日を書きます。下書きを作った日ではなく、実際に提出する日です。提出が翌日に変わったら日付も確認します。
所属と氏名
「看護部 ○病棟」など、院内の正式な所属名を書きます。異動直後や兼務中で分からなければ、人事情報と合わせます。押印が必要かは指定様式・規程を確認してください。
宛名
一般例では法人代表者、理事長、病院長などを宛名にしますが、職場によって異なります。書類を手渡す師長の名前と、文書の宛名が別になることもあります。
公式サイトや院内資料で正式な法人名、病院名、役職、氏名を確認します。敬称は一般に「殿」が使われますが、指定様式があればその表記へ合わせます。
用紙・手書き・パソコン作成の決め方
退職届は必ず手書き、必ず縦書きという法律上の一律ルールがあるわけではありません。職場の指定と受け付ける方法で決めます。
| 項目 | 指定がある場合 | 指定がない場合の確認 |
|---|---|---|
| 用紙 | 院内用紙を使う | A4またはB5の白無地を確認 |
| 作成 | 手書き・電子申請等に従う | パソコン作成の可否を人事へ確認 |
| 向き | 縦書き・横書き指定に従う | 読みやすい形式で統一 |
| 押印 | 指定欄に従う | 必要か確認 |
手書きなら黒の消えない筆記具を使い、摩擦で消えるペンや鉛筆は避けます。書き間違えた場合、修正液で直すより、新しい用紙へ書き直す方が文書として明確です。
パソコンで作る場合も、氏名だけ手書き、押印が必要などの運用があります。印刷後に日付・氏名・宛名が正しいか読み上げて確認してください。